ベッドに座ると、ぎしっと鈍い音が鳴る。
奈月の顔を覗き込むけど、眠っていて意識のない奈月に反応はなくて。
俺ははっと小さく息を吐いた。
『危害を加えるな……か』
危害を加えるつもりは、正直ない。
……だけど。
傷付けることはするかもしれない。
それは俺の自己満足だけのために奈月を振り回した結果の事で。
……それでも俺は奈月を利用することはやめない。
やめることはできない。
そうするしかないとわかっているから。
それに俺は、利用している奈月に対して罪悪感を感じるほど素直じゃないから。
俺はこれからも目的のために奈月を利用する。
……もし、その選択が間違っていたとしても。
と、その時。
「ん……れ、い……?」
『……奈月?』
奈月が寝ぼけているのかふわふわとした声で呟き、微かに目を開いた。
『ごめん、奈月。起こしちゃった?』
「べ……別にいいよぉ……」
慌てて謝ると、奈月はへにゃと笑いゆるゆると首を横に振った。
「ねぇ……レイ」
『ん』
呼ばれて顔を寄せると、耳打ちをされる。
「あのね……レイ、ありがとう」
『え?』
思いがけない声に、目を大きく見開いた。


