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なっちゃんがケーキを作った。


俺は家の近くの公園尾ベンチに座り、唖然としてなっちゃんのインツタを見ていた。


学校はとっくに終わっていたが、家ではおちつちて勉強ができないため、俺は毎日公園や図書館によって勉強をしていた。


頭を使って疲れて、甘いものがほしいと思っていたときのことだった。


「なっちゃんは、俺のためにケーキを作ってくれたんだ……」


じゃないと、こんなにタイミングよくケーキを作ったという投稿をするはずがない。


きっとなっちゃんは俺がここで勉強をしているのを見て、慌てて作ってくれたに違いない。


そう思うと、学校での嫌な出来事なんてあっという間に忘れ去ってしまう。


自分よりも下等な人間しか存在しない学校なんて、無意味そのものだ。


俺はなっちゃんさえこの世にいてくれればそれでいい。


いとおしさが一気にこみ上げてくるのを感じる。


なっちゃんの優しさ、けなげさな俺の中にじんわりと広がっていく。


表向きには母親の誕生日だと書かれているけれど、これは違う。


順の文字を純に書き換えてしまうくらいテレやななっちゃんだからこその、演出だ。


周りの人にはまだ、俺との交際を秘密にしているのかもしれない。


俺となっちゃんがこんなにラブラブだとわかれば、きっと全人類は嫉妬するはずだ。


それを懸念しているに決まっている。


なんてけなげで、そして頭のいい女の子なんだろう。


俺はスマホを胸の前で強く抱きしめたのだった。