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彼と出会ったのは小学校3年生の頃だった。


『靖! サッカー行こうぜ!』


休憩時間になると彼は必ず友人からサッカーの誘いを受けて、グラウンドへかけて行った。


なんでも3年生の中では彼が一番運動神経がよくて、サッカーを得意としていたからみたいだ。


あたしは教室から彼がグラウンドでボールを追いかけている姿をジッと目で追いかけていた。


まだ子供だったから、どうして自分がこんなにも彼のことを気にしているのかよくわからなかった。


『里奈ちゃんは靖くんのことが好きなんでしょう?』


ある日友達からそんな風に言われて気がついた。


そっか。


あたしは靖君のことが好きなんだ。


これが好きっていう気持ちなんだ。