「その女の子とあたしで晃を問い詰めたら、ようやく白状したの。あいつ、ドライブスルー彼氏をやめてなかった。それに、ドライブスルー彼女まで利用してた。昨日会った女の子は、ドライブスルー彼女で見つけた子だったみたい」


ドライブスルー彼女。


初めて聞く名前で一瞬目を見開く。


だけど考えてみれば、ドライブスルー彼氏があるのだから、その逆があっても不思議じゃなかった。


晃くんはそれも利用していたようだ。


「結局、4人と同時に付き合ってたんだって。笑っちゃうでしょ」


琴葉はそう言って小さく笑った。


そんな琴葉の体をあたしは抱きしめていた。


「おかしくなんてない」


ギュッと抱きしめたまま、あたしは言った。


琴葉は本気で恋をして、本気で晃くんと付き合っていたんだ。


騙されていたからと言って、おかしいことなんて少しもない。


晃くんは1人の人を愛することができない可愛そうな人なんだ。


あたしはそう感じた。