ドライブスルー彼氏

トオコちゃんの部屋は綺麗に整理整頓されていて、白で統一された清潔感のある部屋だった。


部屋の真ん中に置かれている白い丸テーブルにケーキをおくと、トオコちゃんは紅茶をいれてきてくれた。


アールグレイのいい香りが漂ってくる。


向き合ってケーキを食べていると、なんだか妙な気分になってきた。


トオコちゃんとの出会いは衝撃的なものだったし、あの時は二度とこの子と話すことはないだろうと思っていた。


それが、こうして2人でケーキを食べているなんて。


「ひとつ質問してもいい?」


ケーキを半分ほど食べたところであたしは口を開いた。


「なんですか?」


トオコちゃんは紅茶を飲んであたしを見る。


「答えたくなければいいんだけど、その、どうしてあたしのことを好きになったのかなって思って」


さすがに質問しにくい内容だったので、途中でどもってしまった。


しかしトオコちゃんは笑わずに真剣な表情であたしを見た。