ドライブスルー彼氏

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琴葉と一緒に警察署へ出向くと、女性の警官が対応をしてくれた。


ドライブスルー彼氏という部分だけ隠して、とにかく明久くんの異常性を伝えた。


女性警官は真剣にあたしたちの話を聞いてくれて、証拠として明久くんからのメールも見せた。


「今のところは厳重注意ということになりますが、これだけでも効果があると思います」


そう言いながら警官は明久くんのスマホ番号をメモしていく。


「電話をかけてくれるんですか?」


「はい。こちらから相手に電話をかけて注意を行います。たいていの場合はここでストーカー行為は収まります」


ストーカー行為という言葉にあたしと琴葉は目を見交わせた。


いつの間にかそう呼ばれる行為にまで発展していたのだと気がついた。


「SNSに投稿されている写真についても問題がある行為です。これも、早急に削除するようにこちらからも申請しておきますね」


手際よく業務を行う女性警官を見ているとだんだんと気持ちが落ち着いてきた。


この人に任せておけばすべて順調に進んでいくかもしれない。