ドライブスルー彼氏

☆☆☆

それから放課後まで、あたしはスマホの音にビクビクしながら過ごすことになった。


明久くんからのメールは相変わらず届いていて、その度に心臓がドクンッと嫌な音を立てる。


KAという人間のSNSはまだ削除されておらず、誰かが見てしまわないだろうかと思って緊張しっぱなしだった。


どうにか放課後まで持ちこたえて、ようやく大きく息を吐き出した。


「里奈、一緒に警察に行こう」


琴葉に声をかけられて立ち上がる。


今日1日で体力を随分と消費してしまった気がする。


教室を出たところで廊下に出ていた生徒たちの視線が集まった気がした。


気のせいだろうか?


疑問に感じながら廊下を歩いてくと、後ろから「ほら、あの子だよ」という声が聞こえてきて思わず振り向いた。


咄嗟に数人の生徒たちがあたしから視線をそらすのが見えた。