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随分泣いてしまった翌日。


洗面所で自分の顔を確認すると、少しだけ目元が赤くなっていた。


しかし泣きつかれたおかげで睡眠は十分に取れたから、昨日より今日のほうがマシな顔をしているように見える。


もし、隆さんとのデートが今日だったら……。


つい、そんな風に考えてしまって左右に首を振って考えをかき消した。


隆さんとの関係はもう終わったんだ。


なにも期待しちゃいけない。


自分自身にそう言い聞かせて、家を出る。


登校中にスカートの中でスマホが震えた気がして、あたしは邪魔にならない場所に身をよけて確認をした。


それを見た瞬間「えっ」と、小さく呟いていた。


それは明久くんからのショートメールだったのだ。


電話番号の交換もしているから、こちらのメーラーを使って送ってきたのだ。


途端に背筋に嫌な汗が流れていくのを感じた。


メッセージを確認しなきゃと思いながらも怖くてできない。


あたしは一度目を閉じて、ゴクリと唾を飲み込んだ。


一体どんなことが書かれているんだろう。


心臓が早鐘を打ち始めて、嫌な予感で胸中が支配されていく。