ドライブスルー彼氏

「どうしたの里奈。なんだか急に顔色が悪くなったみたいだけれど」


トイレから戻ってきたあたしに琴葉が心配そうに声をかけてきた。


「ううん、なんでもないよ」


左右に首を振って返事をした。


自分の選んだ人があまりよくない人だった知られるのも嫌だった。


そのまま自分の席に座り、考え込む。


明久くんはストーカー気質な人なのかもしれない。


たった1度のデートじゃそれを見抜くことは難しい。


なによりあたしは男の人になれていないんだ。


そんな状態で本章を見抜くなんて無理だった。


どうしよう。


明久くんには家の近くまで送ってもらっているから、下手をすると家まで来られる可能性もあるのだ。


「里奈?」


考え込んでいるといつの間にか琴葉が目の前に立っていた。


「本当に大丈夫?」


「だ、大丈夫だよ、気にしないで」