ドライブスルー彼氏

「真崎君かっこいいよね。さすがにそこまでかっこいい人はいないと思うけど、今度行って見たらどう?」


「えぇ~、どうしようかな」


曖昧にごまかしながらもすでにドライブスルー彼氏へ行く決心はできていた。


相手は彼氏になる人なのだ。


やっぱり妥協はしたくない。


そう思ったときだった、まるであたしの考えを見透かしたかのようにスマホがなった。


明久くんからのメッセージだ。


少し気まずい雰囲気になりながらも、あたしはそれを確認した。


《明久:今なにしてるの?》


たったそれだけのメッセージだけど、嬉しくないと言えば嘘になる。


相手が明久くんでも、こうして異性からの連絡をもらえるのはやっぱり嬉しい。


今までの休憩時間はありえないことだったし。


「どうしたの里奈、顔が赤くなってるけど」


「え? き、教室が暑いのかも」


あたしは慌ててそう答えて、手で自分の顔をあおいだ。


すぐに顔に出てしまうところも、どうにかしたほうがいいかもしれない。