「行ったんでしょう?」


もう1度、今度は小さな声で聞かれてあたしはうなづいた。


「それで、どうだった?」


「明久くんって人と会ったよ。同じ17歳」


「デートした?」


「した!」


「メッセージ交換は?」


「した!」


あたしの返答に琴葉は今にも悲鳴をあげてしまいそうになり、両手で口を塞いだ。


「それから?」


「その先はまだだけど、真面目で優しい人だよ」


あたしは明久くんの顔を思い出してそう言った。


それほどカッコイイわけじゃないけれど、人間は顔じゃないとちゃんとわかっている。


「付き合うの?」


そう聞かれてあたしは目を見開いた。


「そ、そんなのまだわからないし」


しどろもどろになって返事をしたとき、琴葉はすぐに晃くんと付き合い始めたということを思い出した。