緊張しながら明久くんの顔色を伺う。


約束場所に現れたときのように顔は赤く染まっている。


それってもしかして……。


ごくり。


また唾を飲み込んだときだった。


「僕は、メッセージ交換してほしいと思ってる」


明久くんの言葉にあたしは目を見開いた。


「ほ、本当に? また会ってくれるの?」


「う、うん」


信じられなくて、気分は天にも昇る勢いだ。


あたしは明久くんの気分が変わらないうちにスマホを取り出してメッセージのID交換を行った。


これでいつでも明久くんに連絡を取ることができるんだ。


「それじゃ、また」


そう言って背を向けて歩いていく明久くんを見送り『送ってくれてありがとう』と伝え忘れたことを思い出した。


でもすぐにスマホを見つめて、いつでも連絡ができると思い直す。


あたしは鼻歌気分で自宅へと足を向けたのだった。