なるほど。


明久くんは自分が選ばれた理由がわからかったみたいだ。


別にあたしの趣味を非難されたわけじゃないとわかり、ホッと安堵した。


「あたしも、男の人と仲良くしたことないの。だから明久くんなら話やすそうだなと思って選んだんだよ」


あたしは素直にそう言った。


すると明久くんは納得したように笑顔になった。


「そっか。確か女子高だったよね? だからあまり男子と関わる機会がないの?」


運ばれてきたパスタに口をつけて、あたしはうなづく。


「うん。みんな恋がしたいって文句ばかり言ってる」


クラスの様子を思い出してあたしは思わず笑ってしまった。


女の子の間で恋話ができないのはなかなかのストレスで、みんな毎日1度は『彼氏がほしい』とボヤいているのだ。


「だけど女子高って楽しそうだよね。異性がいないと、気にかける必要がないこともあるでしょう?」


「それもあるね。先生も女性が多いから、着替えとか本当に気にしないもん」


「へ、へぇ……」


今の言葉に明久くんは顔を真っ赤にさせてしまった。


いけない。


あまり大胆な発言は避けたほうがいいかもしれない。