そこそこ可愛い服は持ってるものの、デートという特別なイベントを意識して購入したことは一度もないのだから、仕方がない。


と、そこであたしは昨日の自分の服装を思い出していた。


昨日は自転車を使ったからズボンだった。


上も無地のTシャツで、しかもスッピンといういでたち。


暗闇だと言ってもそんな姿をあたしはすでに明久くんに見られているのだ。


今日頑張ってオシャレをしたって、印象はそんなに代わらないんじゃないか?


そう思うと、途端に気持ちが軽くなった。


どんな服を選んでも昨日よりはマシになるはずだ。


「よし! さっさと着替えて、出かける準備しなくちゃ!」


あたしはベッドから勢いよく起き上がったのだった。