あたしから見ても妹のような琴葉に彼氏ができたと言う事実をまだ受け入れることができなくて、あたしはマジマジと琴葉を見つめた。


「だ、だって琴葉。昨日だって出会いがないって言ってたじゃん」


昨日のことだからまだ鮮明に覚えている放課後途中まで一緒に帰っていたとき、琴葉は何度も男子との出会いがなあいとか、恋愛がしたいということを口にしていた。


そしてあたしはそれに同調して一緒になげいていたんだから。


「あの時はまだであったなかったの」


「なにそれ。その後誰かと出会って、付き合い始めたって言うの? そんなことありえないでしょう?」


いくらなんでも展開が速すぎる。


いくら彼氏がほしいといっても、琴葉だって誰が開いてでもいいというわけではないと思う。


どちらかと言えば琴葉はカッコイイ男の子が好きだし、理想的な男子と出会えたとしても、そこから付き合うまでの期間は長くかかってもおかしくないと思う。


しかし、目の前にいる琴葉は意味ありげな微笑を浮かべている。


「それがね、理由があるの」


「理由?」


まさか、マッチングアプリとかだろうか?


アプリで出会うのって大丈夫なのかな?


琴葉は騙されたりしてないだろうか?


不安が募ってきたとき、琴葉があたしの腕を掴んで教室を出た。