ドライブスルー彼氏

そんな言い訳を心の中でしながら小屋へと近づいた。


琴葉が言っていた通りパネルにはいろいろな男の子顔が表示されていた。


その下には男の子年齢や趣味が書かれている。


パネルの横には利用料金の500円を入れる場所もあった。


「すごい……」


思わず呟いた。


ここでは本当に男の子と出会うことができるんだ。


1度デートをして、それで互いにOKなら付き合うこともできる。


不意に昼間見かけた琴葉と晃くんを思い出した。


2人はすでにカップルっぽい雰囲気を持っていて、とても楽しそうに並んで歩いていた。


あたしも、ここで男の子を買えば彼氏ができる?


もちろん、相手の気持ちもあるからそう簡単にはいかないとわかっている。


だけど琴葉はすぐに彼氏ができたのだ。


それなら、あたしにだって……。


気がつけばあたしはサイフを取り出していた。


心臓は早鐘のようにうっていて、これから自分がなにをしようとしているのか知らしめている。