ドライブスルー彼氏

☆☆☆

ドライブスルー彼氏なんて行かない。


興味もない。


そう思っていたあたしだけれど、夜の12時ごろすっかり寝静まった両親を起こさないように家を出ていた。


スマホとサイフをズボンのポケットに入れて、自転車を漕ぎ出す。


琴葉から贈られてきた地図はすでに頭の中にインプットされていた。


家から自転車を使って30分くらいの場所のはずだった。


少し行ってみるだけ。


琴葉の言っていることが本当かどうか調べるだけ。


それでもし本当にあったら、それを確認して帰るだけだ。


別にやましい気持ちなんて少しもない。


両親に内緒で出てきたのだって、こんな夜に一人で外出することがバレたら心配されるからだ。


ただそれだけ。


頭の中でグルグルと言い訳を考えながら自転車をこいでいると、目的地付近に近づいてきた。