ドライブスルー彼氏

今日だって靖くんは工事現場の制服を着ているし、近くで工事をしている音だって聞こえてきている。


その現場から抜けてきたはずだ。


「それも、そいつが言っただろ。バイトなんてしてないんだよ」


嘘でしょう……?


「毎回バイトしてる友達に制服借りてたんだよ。それももうしなくていいから、楽になったけどな」


靖くんはそう言うと、封筒の中身を確認した。


それにつられるようにして3人の派手な女の子が近づいてきた。


彼女たちはなれた様子で靖の腕に自分の腕を絡ませている。


ただの友達という関係じゃないことは、一目瞭然だった。


「これからはもっともっと稼いでもらうから」


それはあたしへ向けられた言葉だった。


だけど言葉の意味が理解できなくてとまどう。


明久くんが不安そうな表情をこちらへ向けた。


「現役女子高生の裏AVに出てもらう」


「なに……それ……」


もっと強く言い返したいのに、声が震えてできなかった。