部屋の中央にはパイプ椅子と簡易的なテーブルが置かれていて、テーブルの上にはタブレットが設置されていた。


椅子に座ると、タブレット端末が自動で画面を切り替えた。


《あなたの情報を入力してください》


その文字の下に、身長や趣味を記入する欄がある。


これはドライブスルー彼氏のパネルに表示されていたものと同じだった。


それらを記入し、タブレットで写真を撮影する。


すると自動で表のパネルに反映されるらしい。


ドライブスルー彼氏と違うところと言えば、選ばれても必ず外へ出る必要はないところだった。


ドライブスルー彼女では、こちらも相手を選ぶことができるのだ。


その点にホッと胸を撫で下ろした。


お金もない人間と無駄な時間を過ごす必要がないのはありがたいことだ。


あたしは最初からお金を持っている人だけを狙うつもりでここに来た。


あたしはゴクリと唾を飲み込んで、その時がくるのを待ったのだった。