「俺、またドライブスルー彼氏に戻るんだ」


なんで?


そうでかかった言葉だけれど、喉に詰まって出てこなかった。


理由は昨日聞いたはずだ。


靖くんはまたあそこでお金持ちの女性を待つのだ。


「嫌だよ。どうして?」


「言っただろ? お金が必要なんだ。今日はいい思い出を作ることができたから、本当に感謝してる」


そんな、最後の言葉みたいに言わないで。


あたしは思わず靖くんの腕を掴んでいた。


「それなら、あたしが手伝うよ。2人分のアルバイト代なら、結構いいお金になるんじゃない?」


あたしは部活にも入っていないし、放課後も土日も頑張って働けばいい。


そうだ。


せっかくから靖くんと同じバイト先に行こう。


そうすればきっと楽しいから。


そんなことを次々と口に出していく。


「ありがとう。その気持ちだけで十分だから」


「そんな……」


「とてもバイト代じゃ無理なんだ。わかってくれる?」