恋愛アレルギー

☆☆☆

「船見くんとなんの話をしてたの?」


机に戻ってきたあたしに咲子が興味津々な顔を向けてきた。


「べ、別に、なんでもない話だよ」


「それにしては楽しそうだったじゃん?」


咲子はニヤニヤと笑っている。


「ポ、ポッキーをあげて、みんなで話してただけ」


別に嘘はついていない。


可愛いと言われて時間が停止したことは、秘密だ。


「で? 体調はどうなの?」


そう聞かれてあたしは自分の胸に手を当てた。


心音がしっかりと伝わってきて、自分が少しドキドキしていることがわかった。


だけど呼吸はちゃんとできるし、意識もしっかりとしている。


小学校時代のようなことにはなっていないみたいだ。


「大丈夫そう」


「それならよかった」


咲子は嬉しそうだ。


「アレルギー、治ってたらいいね?」


「そうだね」


でも、そうなったらどうなるんだろう?


あたしは好きな人と一緒にいることができて、付き合うこともできて。