あたしは誰もいない公園で一人、ベンチに腰を下ろした。


あの時と同じ場所。


同じ体勢で。


今思えばあの時告白しなくてよかったかもしれない。


彼女がいるかどうかも確認しないまま告白していたら、きっと笑われていたことだろう。


そう考えて、また少しだけ笑った。


そうしていると遠くからチャイムの音が聞こえてきた。


「あ~あ、遅刻だ……」


それでもあたしはその場から動かなかった。


今は誰にも会いたくない。


一人でいたい気分だ。


それなのに、こんなときにタイミング悪く公園を訪れる人物がいた。


「なにしてんのお前」


その声にビクリと体を震わせて顔を上げる。


そこにいたのは研司だったのだ。


「研司……」


「もう学校はじまるぞ」


「わかってる」


あたしはそう言ってうつむいた。