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B組にたどり着いたとき、あたしは大きく息を吐き出して自分の机に突っ伏した。


心臓はまだドキドキしている。


最初、図書委員をあの3人に押し付けられたときはなにも言えなかった。


そんなあたしが、こうしてハッキリ言い返すことができるなんて!


「愛美、またなにかあった?」


突っ伏しているあたしを心配して、咲子が声をかけてきた。


パッと顔を上げると、咲子は目をパチクリさせてあたしを見る。


「なにかいい事でもあった?」


そして、質問の仕方を変えた。


あたしは興奮気味についさっき昇降口で起こった出来事を話して聞かせた。


咲子はすべて聞き終えると拍手で賞賛をしてくれた。


「すごいよ愛美! あの3人を言い負かすなんて尊敬する!」


「言い負かすなんて、そこまではしてないけどね」


あたしは照れ笑いを浮かべる。


それでも、最近はやられっぱなしじゃないことは確かだ。


あの3人もあたしへの態度が変化してきているのがわかる。


「でも、あたしあの3人にはっぱかけちゃったの。船見くんとのことが、羨ましいんでしょうって。だから、なにか行動するかもしれない」