「お前のあだ名、カオリン」
「いつの間に」
「ちなみに冬馬は」
「待って、俺当てたい。鮫っち?」
「ううん、鮫ぽん」

高陵が肩を震わせる。千治は既にケラケラと笑っていた。

三人で向かったのは屋上へと続く階段。
屋上への扉の前は黒と黄色のテープと赤いカラーコーンが置かれている。

「机蹴散らしたか?」

千治の数段下に腰を下ろす燐に尋ねる。高陵は菓子パンを頬張っていた。
黙って首を横に振る。

「皆座ってたから」
「こえー、座ってなかったらやってたんだ」

笑いながら高陵は燐を見た。