バイト先から貰ったパンを冷凍庫に入れ、冷蔵室から焼きそばの具材を取り出す。

すべてを適当な大きさに切り、フライパンに放り込んでいく。最後に豚肉、焼きそばの麺を入れた。

「わたし、燐ちゃんの焼きそば好き」

風呂掃除から戻った円香が台所の物置きと化している食卓テーブルの椅子に座って頬杖をつく。その前に、食パンや調味料などが乱雑に置かれている。

「焼きそばについてるソース味だよ?」
「味だけじゃないのー、火の通り加減とか野菜のザクザク加減とか」
「まどちゃんも作る?」
「うーん、火事になっても良いなら」

ふふ、と笑っている。