[少しなら大丈夫だよ。クレア殿下の護衛は今、別の者がしているから。僕は晩餐の時間までは自由なんだ]
[本当? じゃあ、遊んでくれる?]

 エミーユはアダムを見上げて目を輝かせる。

[いいよ。何がしたい?]
[追いかけっこ! アダムが鬼ね]
[わかった]

 アダムは屈託なく笑う。

[あの、アダムさん。本当にいいんですか?]

 ミレイナはアダムに無理をさせているのではないかと心配になった。

[ああ、大丈夫。気にしないで。ほら、行くよ]

 アダムは煽るように魔獣達に片手を振ると、走り出す。

[あっ、待てー!]

 魔獣達が一斉にそれを追いかけ始めた。