(きっと、それを実行してくれているのね)
ミレイナはそれを聞いてとても嬉しくなった。
「ところで、きみはもしかしてミレイナかな?」
「え? なんで私の名前を知っているの?」
初対面の人に名前を言い当てられ、ミレイナはびっくりして聞き返す。
「ウサギの耳が生えているから、きみはウサギ獣人だろ? 僕が知る限り、ラングール国の王宮に獣人はひとりしかいないはずだから。竜王陛下のお気に入りの獣人がいるって、僕の周りでは有名だよ」
「あっ、なるほど……」
アダムの言う通り、今現在ラングール国の王宮で働く獣人はミレイナひとりしかいない。
「名乗りもせずに色々聞いてごめんなさい。ウサギ獣人のミレイナと申します。王宮で働いているわ」
ミレイナは慌てて簡単な自己紹介をする。
「いや、構わないよ。それより、ミレイナはこんなところで何を?」



