この日も他の魔獣係と共に魔獣達のお世話をしていたミレイナは、今日も目の回るような忙しさを迎えていた。

[ねえねえ、お腹空いた]
[お散歩に行きたいよ]
[ミレイナ、遊んでよー]

 背後からはひっきりなしにミレイナに呼びかける声がする。さらに、ぐいぐいとケープを咥えて引っ張る子まで。

(ひええ~)

 今日は朝から四人がかりでずっと働きぱなしなのに、ちびっ子魔獣達の〝遊んでコール〟にはきりがない。

(もー、無理!)

 ミレイナが半分お手上げ状態になったそのとき、大きな声がした。

[おい、お前達! ミレイナが困っているだろう]

 颯爽と現れたシェットが、ちびっ子魔獣達を諫めるように言う。

[それに、おやつは三時だ。こんな我慢ができないようだと、立派な従獣にはなれないぞ]

 その言葉に、ちびっ子魔獣達はハッとしたような顔をした。

「「「はーい!」」」

 元気な返事が重なる。