「私はペットじゃないですよ」
「ペットなどと、一度も思ったことはない」
「本当でしょうか?」
「本当だ」

 ジェラールはそこでつと言葉を止めると、ミレイナを見つめる。

「だが、いつも側に置きたいと思っている。ミレイナを愛でるのは、俺だけだ」

(ま、またそういう思わせぶりなことを!)

 ミレイナは、落ち着いていた肌がまたぽんっと赤くなるのを感じた。

「くくっ」

 ジェラールは肩を揺らす。

(可愛いって、やっぱりペットみたいで可愛いってことでしょ?)

 ミレイナは頬を赤らめたまま、ぷいっとそっぽを向く。