竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~

(あ、落ちちゃった)

 やはり、留め具が弱すぎるようだ。

(馬車の外に落とさなくてよかった。なくしたら大変だもの)

 ミレイナが足下のそれを拾い上げる。

 まさにそのとき、異変は起きた。
 五本指の手がぽんっとウサギのものに変わり、耳飾りが手から滑り落ちる。それは馬車から地面へと転がっていった。

(え? うそ!)

 ミレイナは咄嗟に馬車から身を乗り出そうとする。

 ──トン。

 背中を押されるような感覚がして、バランスを崩したミレイナは自身も馬車から転がり落ちた。地面をころころと転がったミレイナは、すぐに顔を上げる。馬車がどんどんと遠ざかっていくのが見えた。

[待って!]

 声を張り上げたはずなのに、それは声になっていなかった。か細い泣き声が響く。