「とても可愛いと思います。でも、本当に私がいただいてよいのかと」

 本当に可愛らしいと思った。
 見ているだけでわくわくするような、素敵なデザインだ。

「ミレイナは謙虚で真面目だな。まあ、そんなところも可愛いのだがな」

 ジェラールはふっと笑うと、ミレイナ耳に触れる。

「付けてやる」

 耳の近くに少しだけ重みを感じる。

「愛らしいな」

 満足げにこちらを見つめるジェラールの眼差しに、ミレイナの心は容易く揺さぶられる。

「ありがとうございます」

 気恥ずかしさを感じて目を伏せると、こちらに近付いてくるジェラールの影が視界に映る。おでこに柔らかいものが押し当てられる感触がした。

    ◇ ◇ ◇