ミレイナはまず一番目の粗いコームでエミーユの毛並み全体をとかし、絡まりを取る。次に少し目の細かいコームに変えると、丁寧に毛をすいてゆく。

[なんだか、眠くなっちゃいそう]
[気持ちいい?]

 じっと大人しくしているのに、白い尻尾はゆらりゆらりと揺れている。きっと、眠くなってしまいそうな程に気持ちがいいのだろう。他の三匹も、興味があるようでじっとミレイナの手元を眺めている。

 最後に、毛がしっかりと生えたブラシで毛並みを整えてやった。

(もふもふー)

 ミレイナはブラッシングが終わったばかりのエミーユの毛を手で撫でる。ふんわりとした触り心地はまさに至福。

「わー、すごい。いつもよりふわふわ!」

 横からじっと見ていたリンダが感嘆の声を上げる。

[綺麗になった?]

 エミーユは小首を傾げてこちらを見つめる。

[すっごく可愛くなったよ。あ、そうだ!]