「沈んでいる? 俺が?」
「……そんな気がしたので。違いましたか?」

 勘違いだったかもしれない。
 自分の早とちりに恥ずかしくなったミレイナは頬を赤らめる。

 一方のジェラールは、ふっと表情を和らげた。
 そして、両手を広げるとミレイナを優しく抱き寄せる。

「へ、陛下?」

(なんで急に抱きしめられてるの!?)

 ミレイナは焦った。腕に力を込めて胸を押し返そうとしたが、びくともしない。ジェラールは顔をミレイナの首筋の髪に埋める。

「……ジェラール陛下?」

 ミレイナは戸惑って、もう一度問いかける。