(ペット用シャンプーもあればいいんだけどな)

 ラングール国では動物や魔獣をペットとして飼う文化がない。そのため、ペット用のグッズは何ひとつないのだ。

(そうだ!)

 そのときに閃いた。
 ラングール国でも、ペットに使用できるようなグッズやアクセサリーを扱うペットブランドがあれば、需要があるのではないかと。

(ジェラール陛下に相談してみようかしら?)

 彼ならミレイナの話を面倒くさがらずに聞いてくれる。ミレイナの中にはいつの間にか、ジェラールに対してそんな絶対的な信頼感が出来上がっていた。

「ミレイナ」

 そんなことを考えていたら、ジェラールが自分を呼ぶ声がした気がした。
 振り返ると、そこにいたのは思った通り、ジェラールその人だ。

「ジェラール陛下。遊びに来てくださったのですか?」
「……ああ」