なんて返答したらいいのか分からなくて、とりあえず話題を変えようと思考を巡らせる。



「えっと、愛理先輩って幼馴染なんだよね?」
「そう。昔から姉弟みたいに育ってきた」



 ────姉弟?




 微妙な違和感を覚えた。さっきの去り際、愛理先輩が水瀬くんを見る視線は、弟に向けるそれではなかった気がする。なんというか……。



「(気になる異性に向けるような……)」



 そうこうしているうちに鐘が鳴り、私達は慌てて教室に向かい走り出した。





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