凛子の赤面症に対するコンプレックスや、他人からのナイフのような言葉に耐える姿を知り、全てを自分が肯定して、簡単に傷付けようとする人間から守ってやりたいと思った。

 凛子の優しさが自分だけに向けば良いと思ってしまうほど、気付いた時には凛子が可愛くて仕方なくて、自分のものにしたいと急いでしまうほどだった。

 保健室で初めて凛子の手首を掴んだ時、その細さと柔らかさに驚き、心臓が驚くほど鳴っていた。胸が締め付けられるほど愛おしくてどうしようもなかった。

 凛子と出会って、色んな感情を取り戻していってる。そんな感覚だった。



「片山さんに、告白したい」



 ────だから告白予約した。

 教室で、変なクラスメイトを追い払って。俺が告白して、俺のものにする。

 そこから距離を詰めて、少し強引だったけど、凛子は最初は戸惑っていたけど、どんどん俺に心を許してくれた。笑顔を向けられるたび、恥ずかしそうな表情をされるたび、好きが積もっていく。

 だから、凛子が俺の告白を受け入れると頷いた時、本当に嬉しかった。

 花火大会で、凛子が俺の彼女になる。そう思っていた。





 ────けど、そうも言っていられなくなった。