「ふふっ……あははっ!!お前それどんな顔だよっ……」
「う、うるさい……」
「顔赤いし、あーもう。面白いなぁ凛子は。一緒にいて楽しいな」
「私と?」
「ああ、すげー楽しい」



 見た目チャラくて、ピアスつけて髪染めて、身長も高い。顔だって黙ってると少し怖く見えるくらいの陸くんは、笑うと子供みたいだ。

 涙が引っ込みその様子をじっと観察していると、陸くんは私の変化に気付いたのか笑うのをやめた。

 そして、一呼吸置き口を開く。



「んじゃ、俺と花火大会行くか」
「は、はい?」
「そんな楽しみだったんだろ?ちなみにあの仲の良い女子は一緒には行けねーの?」
「有菜ちゃんは先約があって……けど、陸くんも友達と行くんじゃないの?」
「俺らは大人数だから、一人抜けようと変わらねーよ」



 陸くんは当たり前のように言うけど、せっかく友達と行こうと約束していたのに、私が変なことを打ち明けたせいで……。

 私は首を左右にぶんぶん振り、陸くんの提案を却下する。