「奏多くん?」
「確かに、ここまで凛子が慣れてくれるとは思ってなかった」
「……奏多くんも、クールで何考えてるか分からなかったよ」
「今は?」
「え」
「今は分かる?」
私の苦手な、熱を込めた視線を送られびくりと固まる。目の前の二人はそんな私たちのやりとりに気付かず白熱した会話をしているし。
今は、分かるというより……。
「わ、分からせられてる」
「そうだね」
「……もう、やだ」
「嫌じゃないくせに」
タイミング良く注文したものが運ばれてきて、私たちの会話は途切れた。
奏多くんはじわじわと私の心に侵食し、私の心ごと変えてしまったんだ。好きにさせられてしまった。
だからこそ気になる。
────愛理先輩との、関係が。
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