「これは?」
「え、美味しそう。けどボリュームがっ……」
「俺も食う。取り皿貰えばいい」
「本当に?じゃあ甘えようかな……」
店員さんを読んで注文をした後も二人でメニューに食いついていると、高田くんが目を丸くして私達を交互に見る。
「なんか二人とも、距離が近くなったよな〜」
「えっ、そ、そうっ?!」
ガバッと奏多くんと距離を取ると、不機嫌そうに眉を顰められる。やばい、恥ずかしい……!確かに最近奏多くんの距離感に慣れてきてたかもしれない。頬が熱くなる。
「高田うるさい。別に良いじゃん、仲が良くて」
「別に否定してねーよ!いや、なんか不思議でさぁ。まさかこんな風に……片山さんと奏多と有菜、4人で飯食う日がくるなんて思ってなかったから」
「あー、それは確かに。凛子は男子が苦手で、水瀬くんはクールキャラだしね」
「なー、思うだろ?」
それは高田くんがとっつき易くていい人だから、私も奏多くんも受け入れやすかったんだと思う。
けど、本人は理解してないようで、すぐに話題を変えて有菜ちゃんと新作ゲームの話題で盛り上がっている。
そんな二人の姿を見ていると、奏多くんが視界の隅で笑った気がした。



