「真っ赤、可愛い凛子」
「う、うるさいっ。ハグなんてできないよっ」
「それなら俺を一位にしなきゃいいだろ」
「〜〜〜〜っ」
「頑張れ」
後ろから有菜ちゃんと高田くんが来て、ハグの要求を回避することができなかった。
別校舎の図書室にたどり着くと、ちらほら勉強をしている生徒達が目に入った。
空いている席に着き、私の目の前に奏多くんが座る。さっきのこともあり、妙にドキドキしてしまう。奏多くんはそんな私を見てクスリと笑った。
「凛子、ここが分からないの」
「あっ、うん。どれどれ?」
隣に座った有菜ちゃんに声を掛けられ、慌ててワークを開く。
奏多くんと高田くんも同じように教科書やワークを開き、勉強を開始した。テスト前なこともあって、みんな集中していて、あっという間に時間は過ぎていった。
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