今から時間をさかのぼること約2時間半。親友のユキちゃんと一緒に行った
花火大会で、同じクラスの石川に出くわした。石川も友達と3人で来ていて、
まあ知ってる者同士仲良く遊ぼうということになった。
出店でいろいろ買って食べて、大きな打ち上げ花火が上がるたびに歓声を
上げて、この場にいる誰よりも自分たちが一番楽しんでいる、そんな気さえ
していた。


花火大会が終わって帰ろうとしたら、同じ方向だから、と石川が私を家まで
送ってくれることになった。
他愛のない話をして、時にはバカ笑いもしながら夜道を2人で歩き、家の前に
着いてからもしばらくの間立ち話をしていたら、カップルらしき人影が見えた。
それが自分の姉であることに気付いて、私はなぜか石川を巻き添えにしてお向
かいの垣根の影に隠れてしまったのだ。


高校2年の姉には同級生の彼氏がいて、手を繋いで帰ってきたラブラブな2人が
家の前に着いたからといってすぐお別れするわけもなく、いや別れ難いのも
わかるんだけど、迷惑なことに姉と彼氏は家の前で手を繋いだままなかなか
離れない。