結局、汐音はスマホを開いて自分で調べはじめた。
……いや、最初から自分で履歴開いてかけろ、と思ったとき、汐音が叫んだ。
「あっ、『おかあささん』になってたっ。
これ、最初のスマホからアドレス帳ずっと引き継いでるから、十年以上気づかなかったってことかなっ?
すごいね、おにいちゃんっ」
……お前がすごいぞ、いろんな意味で、
と繁は溜息をつく。
……加倉井はほんとうに心の広い奴だ。
こんな汐音を女として、深く愛してくれるだなんて。
と、うっかり恋敵を尊敬しそうになってしまった――。
……いや、最初から自分で履歴開いてかけろ、と思ったとき、汐音が叫んだ。
「あっ、『おかあささん』になってたっ。
これ、最初のスマホからアドレス帳ずっと引き継いでるから、十年以上気づかなかったってことかなっ?
すごいね、おにいちゃんっ」
……お前がすごいぞ、いろんな意味で、
と繁は溜息をつく。
……加倉井はほんとうに心の広い奴だ。
こんな汐音を女として、深く愛してくれるだなんて。
と、うっかり恋敵を尊敬しそうになってしまった――。



