狙われてますっ!

 ……困ったな、どうしよう。

 その人、よく知ってる人ですよ、真琴さん。
 しかも、彼女大募集中ですよ。

 無骨な人なので、女性との会話があまり得意でない人だ。

 でも潜入中の今、知り合いの警察官と接触するのはまずいんだよな~……。

 私が潜入捜査してるの、内緒になってるし。

 ……こうなったら、早く事件を解決しなければっ。
 真琴さんのためにもっ、と汐音は決意を新たにした。

 渡真利さんには、
「……そんな理由で?」
と冷ややかに見られそうだ……、と汐音は思っていたが。

 渡真利も今、恋に落ちていた。

 というか、長い間、恋に落ちていたことに、ようやく気づきはじめたところだった――。