狙われてますっ!

 輝美も、
「それこそがほんとの恋よね」
と言い出した。

「あんたがイケメンでない男に心を奪われるなんて」
と言う。

「なんか気にならなくなるのよ。
 他に格好いいところ見つけると。

 顔までいい感じに見えてきちゃうのよ、ただゴツイだけの人でも」

「あの、その人、今、なにしてらっしゃるんですかね?」
と汐音が訊くと、

「さあ?
 確か、警察官になったみたいなことは聞いたけど。
 詳しくは知らないわ」

 警察……?

「……え、えーと。
 その方のお名前は?」
と思わず訊いてしまう。

 いや、他県だったら、さっぱりわからないが、と思いながら、確認したが、知っている人だった。

「なんで訊くの?」
と真琴に問われ、

「いえ、私、柔道やってるんで、この辺りで強い人だったら、知ってるかもしれないと思って」
と汐音は曖昧に答える。

「えっ?
 あんた、柔道やってるのっ?」

「そんなぼうっとしてるのに?」
と二人に驚かれる。