「よし、此処からなら、よく見えそうだぞ」
他の車も居ない高台の広い場所に求の車はたどり着いていた。
汐音は急いで着込み、車を降りる。
ドーン、と大きな音ともに花火が打ち上がった。
空から大量の金の粉が自分たちめがけて降り注いでくる。
かなり大きな花火だった。
「うわ~、綺麗ですね~。
此処からなら、こんなに大きく見えるんですね~っ」
思わず汐音が声を上げると、
「そうだな……」
と横に居る求も感慨深げな声で言う。
「此処まで上がってきてよかったですっ」
ああ、と求も微笑んだが、それで終わりだった。



