狙われてますっ!

 


 その頃、渡真利はなにか事件が起こらないだろうか。
 急展開しないだろうかと願っていた。

 汐音を今、呼び出したいっ。
 連絡したいっ。

 かと言って、用もないのに電話をするとか、無粋な真似はしたくないっ。

 そうだ。
 犯人の決定的な証拠を見つけるんだ、今っ!
と渡真利はかつてないほど、集中して資料を読み込んでいた。

 ただ汐音と求の邪魔をする理由を作るために――。