狙われてますっ!

「お母さんとか、あんた、今まで生きてきて、浮いた噂のひとつもないなんてって言うんですよね~。

 私の周り、男女問わず仲良しだったので。
 男の子の友だちも結構遊びに来たりはしてたんですけどね。

 でも、誰とも怪しくなかったみたいなんですよ。

 お母さんに、おにいちゃんと結婚するのかと思ったって言われるくらい、縁がなくて」

 ははは、と汐音は笑ったが、求は、

 ……ちょっと待て、と思っていた。

 それは汐音たちのすぐ側に居るお母さんから見て、繁さんとは怪しかったということでは……?

 求はそう気づいたが、汐音は気づいていないようだった。

 そして、おそらく、繁自身も気づいていない。

 今まで、危険なのは渡真利で、繁は安全な汐音の身内、くらいに思っていたのだが……。