狙われてますっ!

「ミステリアスっていうか……。
 まあ、なんか得体が知れないよね。

 言動が不思議すぎて」
と解説してくれる武志も居なかった。

 ともかく、こいつのそのミステリアスな部分を排除してみよう。

 それでも惹かれるようなら、本物の恋かもしれん、と求は思う。

 結婚してお互いの間になにも秘密がなくなり、見慣れた相手になっても、この思いが続くか少し不安だったからだ。

「汐音……」

「はい、なんですか?」
と求の分も注文表に書きながら、汐音が訊いてくる。

「ずっと気になってたんだが。
 お前の買い物メモにあった、城ってなんだ」