求の話は、ふたりでイカを見にいく話だったのだが。 文章なら人格を偽(いつわ)れる達人、輝美に添削してもらいながら返事を送った結果、汐音は今日、その打ち合わせがてら、求と回転寿司を食べにいくことになった。 輝美さん、ありがとう、と汐音は回転して流れてく寿司に向かい、祈りを捧げる。 此処は回転寿司とは言っても、わりと高めの寿司が流れてくる店なのだが、美味しいので、いつも満席だ。 今日もいっぱいだったが、汐音たちは運良くカウンター席の端の方に、ちょこんと座れた。