狙われてますっ！

「それで？
　渡真利さんはなんて？」

　うわー。
　すみません、神様っ。

　もう適当なことは言いません～っ、と汐音は再び反省する。

　確かに結婚の話はしたが、結婚に縁がない、という話と、どんなデートが正解がわからない、という話をしただけだ。

　仕方なく、汐音は、その内容をふんわりと言い換えて伝える。

「え、えーと。
　意外と女性慣れしてないらしいです。

　デートとかもあんまりしたことないみたいで、仕事一筋な感じみたいですね」

　まあ、と真琴は喜んだ。

「意外っ。
　すごくモテそうだから、硬派そうに見えて、実は言い寄る女性をもてあそんでは捨てたりしてそうって思ってたんだけど。

　でも、女性慣れしてない人っていうのもいいわねっ」

　……でも、いいわね？

　あの、もしかして、真琴さんは、もてあそんでは捨てるような駄目男がお好きなんですかね？

　だったら、渡真利さんとは合わないかもしれないな～、と思い、汐音は苦笑する。